ピアノも!遊びも!勉強も!
ピアノの練習は時間がかかる
ピアノって、ピアノの進度が進めば進むほど、練習時間が必要になります。以前、生徒さんで、驚く事をしていた方がいました。
毎日3時間、きっちりと練習される生徒さんでした。ご本人が音楽が大好きですし、何よりピアノを弾くことが好きで、よほどのことがない限りは、毎日3時間は欠かさずに練習されていました。ところが、ある日を境に、練習しても、練習しても、伸びなくなってきました。3時間も弾いているのに、どうしてなんだろう?・・と私は考えましたし、お母様も勿論、私以上に考えていらっしゃったと思います。
あれ?どうしたの?
ある日、そのピアノの生徒さんのお母様から、朝早くにご連絡があり、今日お話に行かせて欲しい!・・とのことでした。朝の10時にお約束をして、生徒さんのお母様を待ちました。
いらっしゃるなり、「先生、弾けない理由が分かりました」とおっしゃいました。私はどんなお話になるのかドキドキ致しました。「毎日3時間の練習もしているし、片手ずつの練習もしています。それなのに変だなあ!・・と思って、練習は娘に任せていたけれど、練習の時に、私も注意して、ピアノの部屋の外で聞きました。」とおっしゃったんです。このお母様はご自分はピアノを弾かれませんでしたので、自分には良くわからない!・・と思っている方でした。普段から、「自分にはピアノのことは、良くわからないけれど、本人がピアノを弾きたいと言うので、先生、どうぞ宜しくお願いいたします。」と、良くおっしゃっていました。
ピアノがわからない人にも、分かってしまった練習
そのお母様がピアノの部屋の外で聞いたとおっしゃったので、驚いて聞き返しました。「どうして、そんなことをされたんですか?」と。お母様がおっしゃるには、片手の練習の音が、今まで聞いてきた練習と違う、とのことでした。それで、思い切って部屋に入りました。・・とおっしゃいました。
「どうしていたと思われますか?」聞かれましたが、私は皆目検討もつかず、「どうしていらっしゃったのですか?」とむしろ、こちらからお尋ね致しました。
片手はピアノ、片手は?
お母様がおっしゃるには、片手でピアノを弾きながら、もう片方の手で、漫画の本を読みながら、片手練習をしていたそうです。そりゃあ、どれだけ片手の練習をしても、身が入らないはずですね。
生徒さんは泣きそうな、困った顔をして、次の日にレッスンに来られました。
「漫画を読みたかったの?」と聞くと、こっくりと顔を縦に振りました。お母様は「もうー!」と云うお顔をされましたが、それはそれで、子供には子供の事情がありますので、生徒さんに聞きました。すると、学校でみんなが知ってる漫画を、彼女一人が知らなかったようで、学校で話ができないので、お友達に借りて、読んでいたそうです。「漫画は面白い?」と聞くと、そうでは無いらしいんです。つまり漫画が面白いわけではないけれど、お友達の輪に入れないのが嫌で、読んでいただけのようでした。
そこで、生徒さん、お母様、私の3人で、学校が楽しく無ければ、ピアノにも支障が出るので、ここは少し譲って、30分だけ漫画に時間を割こう!・・と云うことになりました。生徒さん自身が得心の行くまで、それは仕方無いことかもしれない、とお伝えして、漫画タイムを30分取って頂くことに致しました。
しかし思ったほど、漫画にはのめり込まず、1ヶ月もしたら、元の生徒さんに戻りました。漫画は面白くないので、もう読まない!・・とのことでした。でも、もし又読みたくなったら、お母様と私には言ってね、とお伝えして、このお話は無事に解決致しました。
子供には子供の世界も
ピアノを弾いている子供には、学校と云う世界や、ピアノと云う世界があります。どちらが上手く行かなくても、苦痛になりますから、何かで困った時は、すぐに話して欲しかったのですが、まさか、漫画が読みたいとは言いづらかったのかも知れません。どちらも上手く解決出来た例ですが、何かあったら、どんなつまらないと思われることでも話していただけるように、雰囲気作りには、気を付けるようにしています。
良く遊び、良く学べ!そしてピアノの練習!
楽しくピアノ、楽しく遊び、頑張って勉強!ピアノをしている人は、人より多くのことをしないといけませんが、遊ぶことも大切だと、私は考えています。時間を作って、思い切り遊びましょう!その楽しさが、又ピアノに反映する事でしょう。
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