大切なピアノのスケール
スケールのテスト
ピアノを弾く時に大切なのは、スケールの練習です。私の母校には、スケールの試験がありました。今はもう実施されていないのでしょうか?学校を創設した井口基成先生が試験を始められたのだと思います。昔の事で、詳しいことを知っていらっしゃる方がいらっしゃらないのが、残念です。又、私の記憶も怪しくなりつつありますが・・。入学してすぐに、ハノン1~20まで#♭2つまでの調、次が1~31までの全調、そして次がスケール全調でした。
緊張は禁物
試験の日までに全調を弾いて、当日長調、短調から1曲ずつ、試験の部屋に入ってから、調を指定されます。全調を弾けば、勿論指の練習にも良く、又苦手な調も出てきます。私はМ先生の部屋に振り分けられました。当時、М先生は本当か嘘かわかりませんが、学校に朝早く来られて、生徒さんのレッスン前に、スケールを一通り練習する先生として有名でした。運悪く、そんな先生の部屋に当たってしまいました。
当日はEs-dur(変ホ長調)、b-moll(変ロ短調)が指示されました。b-moll!大の苦手な調です。冷や汗ものでなんとか弾き終えたら、М先生が「d-moll(ニ短調)です!」と言い直されました。緊張していたのか、どうしていたのか、聞き間違え???まさかの弾かなくてよい調を、自ら弾く羽目に!d-mollを弾き終え、部屋を後にしました。
学生ホールで「どうだった?」と聞かれ、事の顛末を話すと、友人達に3の調を弾いたことより、М先生の部屋だったことに同情されました。
斬新なスケール練習
ピアノのスケールというと、今でも忘れられないことがあります。岡山の大学に勤務していた時の生徒さんのことです。スケールの練習のことを伝えて、#♭2つまでを宿題に出そうとして話していたら、彼女が「私はそのように習った事が無い!」と言ったんです。事情を聞いてみたら、外国の方がピアノの先生だったそうです。その先生はドの音から順番にスケールを弾くように指導されていて、順番にいつも弾いていた!・・とのことでした。つまり、ハノンの教則本は使っていなかったんですね。他の生徒さんは皆、ハノンでしましたが、その生徒さんとは、二人で相談して、進めました。色々な生徒さんが居た、忘れられない大学勤務時代でした。
どこからでもスケールが弾けるって、ある意味スゴイです。夏休みには、彼女が芦屋まで来たり、私が岡山まで行ったりで、レッスンしながら、楽しい日々を過ごしました。懐かしい思い出です。その後彼女は、アメリカに留学しました。あのスケールは私にとっては斬新で、今でも時々思い出します。スケールは万能な一つの技能だと思います。毎日1つでも弾いていくと良いですよ。欲張らないのが、長続きの秘訣ですね。
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